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「ふと。」@ゲ日記
- 2006/12/26(Tue) -
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駄文







































闇から現れた相手に、思わず身構えた。
絶対的に正義ではないと本能的に察知したからだった。
だが相手はこちらに目配せすると気の抜けた顔をして。

「まちがえた。」

おぞましい殺気に思わず腰に携えた剣へ手を伸ばしかけていたが、
その反応に俺も拍子抜けした。
全身黒ずくめ、重装備すぎる程の武器を持った出で立ちは緊張感を孕むのに。
相手はぱしぱしと頭を掻いてバツが悪そうに笑った。

「お主、旅の者か?」

森が喚き木々がしなる喧騒の中、
搾り出すように掠れた声でしか答えられない。

「おまえ…俺が見えるのか?」

言ってしまってから、しまったと思っても。
彼は不思議そうにこちらを下から上へ見初めて。

「見えるも何も、そんな派手な格好してたら目立つぞ。」

ふふ、息だけで可笑しそうに笑う。
先ほどまでの毒々しい殺気等跡形も無く、晴れやかな青空みたいに。
答えに躊躇い言葉を捜していると、
彼はひとつ伸びをして「こうしちゃ居られない」と拳を握った。

「今から悪霊退治に行くのだ。お主も来るがいい。」

何を見初められたのだろう、彼はそれだけ言うとたちまち駆け出した。
この腰に或る大袈裟な剣が役に立つと思われたのだろうか。
残念ながらこれは生身の人間を切る武器であって、
悪霊などは捌けやしないのに。



彼は少しでも気を抜けば見失ってしまうほど速く、
自分が付いて行った所で役立てるか理解も出来ないまま
必死に其の黒い影を追って走った。
普段の彼であるだろう先ほどの親しみやすい笑顔と、
第一印象からして魂まで奪われてしまいそうになったあの殺気。
どうしても同一人物とは思えない格差に惹かれる物があったのかもしれない。
12月の風は冷たく喉元から鉄の味を滲ませて
こんなに必死に駆けたのは何時振りだろうかと口角が緩んだ。

走ると言う行為に夢中だったせいで気づかなかったが、
彼が辿り着いた先は商人で賑わう大きな街の一角だった。
人通りも多く喧騒が暖かい。

「…こんなところに悪霊なんか居るのか?」

疑問符を投げてみるが全く聞こえていないようで
彼は獲物を狙う猫が如くぐるりと周囲を見回した。
そして。

堰を切ったように弾け散る瘴気、
こちらへ向けて微笑んでくれた笑顔とは全く真逆の厭な笑みを携えて
彼の殺気が爆発する。

「…いつだって一番恐ろしいのは人間なのさ。」

彼は太ももの辺りに括り付けていた、刀身も黒いナイフを引き抜くや否や
右斜め前方正確に40度めがけて美しいフォームを描いた。
真っ直ぐ伸ばした彼の腕から直線的にナイフは風を切り、
行き交う群集誰一人傷つけることなく狙い定めた相手を貫いた。

悲鳴さえ上げる間もない一瞬。

するりといつの間にか溶けてしまう春の雪のように黒い殺気も四散して。
こちらを振り向いた彼はやはり、人のよさそうな笑みを浮かべていた。

「悪霊なんて嘘だ。この辺りで賞金首が潜伏していると聞いたものだから。」

「……賞金首………。」

足音も立てずに歩く彼は何事かと集まってきた野次馬を掻き分け、
たった今己のナイフで貫いた相手を引きずってくる。

「こいつはデカい賞金首のパシリだ。絶対に相手は近くに居る。」

小声でそれだけ告げられ、いくぞ、と言う彼の肩を掴んだ。

「待てよ、何故俺を連れて来た?」

「勝手に付いてきたんじゃないか」

「…来いって言っただろ」

不満げに言い返せばそれもそうだと彼は頷いて。

「丁度剣士が必要だと思ってたしな。…その剣は玩具じゃないんだろ?」

指先で軽く柄を弾かれ、心酔していた時を返して欲しいと切実に思った。

「当たり前だ。だが断る。人殺しで得る賞金等に興味は無い。」

くるりと踵を返し、元来た道を辿ろうかと思うより先に。
首筋に冷たい感触。鉄、恐らく刃物の類。
耳元に低い声が掛かった。

「俺の狙う相手は、一つの村を道楽で焼き払ったキチガイだ。」

「………っ」

「女子供を焼いて食う。」




聞き違えたかと思った。
息を飲み込むと喉元に宛がわれていた凶器が退けられて。
ぎこちなく彼を振り向くと、また厭な笑みを浮かべていた。

「ヤツは狂ってる。」

「おまえ………」

「俺がただの貧乏くさい賞金稼ぎだと思うなよ。」

大よそ理解不能の猟奇殺人犯専門か。
瞳を見据えればまた柔らかい笑顔に戻る。

「そんなヤツがこの街に居る。何を企んでるか知らないが、
 どうせまたロクでもなく悪趣味なことを考えているんだろ。」

「…………。」

「で、見たところお主もそういう輩には虫唾が走るタチだと思ったが?」

全身黒ずくめの彼は瞳までも漆黒の闇。
その瞳に写るものは真実だけなのだろうか。























眠いのでギブアップw

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