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「クラシカル」@ゲ日記
- 2006/10/31(Tue) -
+++

ご要望があってルンルンで今書いた。まじ10分くらいで(最低)
だから超駄文。超ショートショート。読む?




+++





















非常にまずいことになった。いやこんな場面には慣れていたはずだった。
何がまずいって、今まで通りに思考出来てない自分が居ることだ。
年末の木枯らし吹き付ける季節、悴んだ指先を擦り合わせるような夜。
背中に回された指先、強く衣服にしがみ付いたそれが微かに震えている。

「このチャランポラン」

おいおいチャランポランとか今のご時勢マジで使う女が居るんだなとか
ぼんやり脳裏を掠めたけど実際問題それどころじゃないわけで。
別段初めてのシチュエイションじゃないし今更恥らうような歳でもない。
いつもならフザけて笑わして誤魔化してうやむやにしてやるのに。
冗談も浮かばない白んだ頭が間違って指令を拒否してる。
抱きしめ返すか宥め離すかどっちかにしろよってくらい中途半端な俺の腕。
熱を帯びた彼女の頬が心臓に限りなく近い皮膚に伝わって、
ああ、酔っ払ってンだな、と少しばかり落胆した。
そうする傍から何をガッカリしちゃってんだよ!と突っ込む自分。
先刻こうして抱きつかれてから自問自答自主ツッコミばっかりだ。
彼女の肩に掛けかけた掌が項垂れて落ちる。

「…終電、出るよ」

気の利いた言葉が浮かばないまま転がり出た台詞は呆れた語気を帯びて。
眼下の細い肩が微かに跳ねた。
怯えたように見上げる視線を途惑って見下ろす。
どうしたものか。今まで気づかぬフリをして居たことを全力で否定した。
この次に発されるであろう彼女の言葉を聞いたらいけない。
短く息を吸い込んだ彼女の唇が動くより先に再度自分の胸に抱え込んだ。
あーぜってー口紅ついたし。

この行動が相手に勘違いさせることは知っていたけれど、
だけど彼女の告白を聞くわけにはいかなかった。
今まで姑息に女の子達の決死のアレを冗談で流してきたのだってその為だ。
無理矢理阻まれた彼女の言葉は、くぐもって別の疑問符に変換される。

(どうして………?)

聞こえてる。でも聞こえないフリをする。
俺は弱くて姑息、卑怯で醜い。こんな俺は君に相応しくなんかないんだ。
それは決して彼女の想いに答えるような代物じゃあない。
今までぶつけられた想い、気持ち、惚れた腫れたの類。
俺は誰のものにもならないし誰かを束縛する権利なんてない。
瞼を落とせば遠い昔犯した罪の色が広がる。赤くて暗い、切なくて遠い。
今まさに腕の中にある温もりをまた失ってしまう喪失感。

(どうして………。)

本当は出会ったときから解っていた。
彼女が「あの子」に少しばかり似たオーラを放っていたこと。
彼女が俺に惹かれ、「あの子」と同じ気持ちを吐露して。
解っていたから限りなく距離を保って、必要以上に自分の話をしなかった。
自分が彼女に惹かれようと、
それは誰がどう見ても、彼女自身に対する気持ちではなかったから。

駅のホームから終電の予告が聞こえてくる。
なんとか自分の腕を彼女から引き離すと、ぎこちなく微笑んで見せた。
いつものジョークでかわして、明日からまた普通の仕事仲間でいるために。
口を開きかけた俺の言葉を、今度は彼女が遮った。

「知ってるんだ。」

息が詰まって表情が凍りついた錯覚。
なにを?



なんで??



「知ってるよ、キミのこと。」

ウソツキで逃げてばかりの笑顔が抜け落ちて、
閉じることを忘れていた唇を奪われる。

「…でも、好きなんだ。“あの子”の代わりでも、構わないから。」

隠して、隠して逃げて護り続けていた深くを暴かれて包まれる感傷。

「過去に囚われるキミも、臆病なキミも、それを隠して笑うキミも。」

(どうして独りで戦わなきゃならないの?)

「全部好きなんだ。あたしのことを利用したりできないところも、ね。」

(どうして自分ばかりを責めてるの?)

繕って庇って、過去の記憶を見せないが為に作り上げた防護壁。
それを容易く乗り越えて、へらりと笑って片手をあげるような。
“あの子”が好きで囚われて、もう誰も愛したりしないと誓っていた。
“あの子”が本当に望んでくれていたことも忘れて。

(幸せになって。笑って、泣いて、たまに悔しい思いしたりしてさ。)

眼を閉じると、先程まで赤く染まっていた記憶が白み色が抜けていく。
酔っていたのは俺の方だ。遠くに掛けていく電車がレールを踏み鳴らす音。
眼が覚めた。今度こそ。護るものを間違ったりしない。




(私を忘れてもいい、生きて欲しいよ。私の分まで、笑って生きて。)





【END】
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コメント
-君と僕。-

まるで何かのようだと錯覚した。どうして、いつもいつも………想いが寸分違わないのだろう。

2008/10/21 18:24  | URL | zain. #-[ 編集] |  ▲ top


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